ー姫路下車ー
「今日で社畜やめます」
研修旅行で脱社畜した話

これは、しがない社畜3名が、紆余曲折ののち解脱の境地を手に入れるまでの奇跡の24時間を記録した旅行記である。

社畜の大脱走

*この記事は、「ウルトラクイズ研修旅行」という企画に沿って作成されました。

研修旅行の条件

  • 予算: 『3万』
  • 制約: 『パリピ・グラサンをかける』
  • テーマ: 『「キレイ」を探す』

人物紹介【出発地から全然進めなかった残念な3人】

こんにちは。ウルトラクイズ研修旅行が始まっていきなり姫路で脱落した3人です。

ウルトラクイズ研修旅行とは・・・しがない広島の零細企業が実施した、ほとんど誰もゴールに着けない愚かな社員研修。道中『クイズに負けたらその場で下車』させられ、降りた駅の魅力発掘コンテンツを強制的に作らされる。しかも旅行条件という足枷付き。

本企画の参加者は全体で20人以上もいるのによりにもよって一番最初に、出発地点の広島から1時間もかからないような近場で離脱してしまった3人です。
僕たちは・・・それでも愚直にミーティングをはじめました。

\この記事を書いた人たち/

レグザ

エンジニア経験を経て現在は部長職。自己犠牲精神に富み、品行方正でみんなに頼られる。

ドイチェ

デザイン中年オヤジ。しっかり考える慎重派だが、仕事では深夜まで悩みすぎて迷子になりがち。頼まれごとを「断れない」。

ニシ

雑務など担当。本人は年齢とともに角がとれて丸くなった気がしてるが、上にへつらい安直に妥協する癖がついただけ。

研修旅行のねらい【社畜からの卒業】

そして、うっかり忘れるところだった制約アイテム「パリピグラサン」を、これまたバカ正直に装着した僕たちは・・・。

パリピグラさんを装着
・・・・あれ?
互いの顔に「社畜」って札がついた加工画像
みんなの顔「社畜」って上書きされてて良くみえないや(涙)

「なんで社畜?」僕たちはいてもたってもおられず、すぐさまネットで「社畜」を検索してみました。

社畜とは、主に日本で、社員として勤めている会社に飼い慣らされてしまい自分の意思と良心を放棄し奴隷と化した賃金労働者の状態を揶揄したものである。「会社+家畜」から来た造語かつ俗語で、「会社人間」や「企業戦士」などよりも、外部から馬鹿にされる意味合いを持つ。(Wikipedia)」

ウィキペディアによると“会社に飼い慣らされ”、
“自分の意思と良心を放棄”した“奴隷”とな。

ドイチェ

・・・そういえば、明け方まで寝ずに(社畜ポイント1)悩んで事前課題を提出したっけなー。

レグザ

予算とお題をパッと与えられたけど、何の疑問も感じなかった(社畜ポイント2)よね。

ニシ

条件反射で(社畜ポイント3)指示通り取り組もうと考えてたよねー。

そうか、これが社畜の無自覚症状か…

上からの制約でやむなく装着した「パリピグラサン」でしたが、おかげで「社畜」精神に蝕まれきった己自身の姿を自覚することができました。こうして僕たちは旅の狙いを勝手に変更し、自らの体を実験台に脱社畜実験に挑むことにしたのです。

「社畜」と真反対のことをたくさんやれば、きっとこの末期症状から抜け出せるハズ!

姫路チームの研修旅行のねらい
自らの体を実験台に脱社畜の実験に挑んだ。
仮説:「社畜」と真反対のことをたくさんやれば、脱社畜できるのではないか。

僕たちの“本当の”研修旅行スタート!
タイムリミットまであと24時間!

第1章:社畜が絶対住めない家【浅はかなインスピレーション】

あと24時間

ところが、いざ「社畜」と真反対のこと!と言われると、なかなか思いつかない。
出だしでいきなり2時間悩んだ

ドイチェ

・・・やっぱ社畜と真逆、つまり飼う側といえば「王」じゃない?「王」といえば「城」じゃない?
実は最初に駅を降りた時、豆みたいに小さい城が見えたんだよね。

あれが豆サイズの城か・・・
あと22:00

浅はかな閃きの元、僕たちは「王」に相応しい住まい、姫路城を目指すことにしました。
姫路駅に着いてさっそく姫路城、なんとベタな。でもこれは王の精神に触れるためだから、実験のためだから仕方ない

近づいてみた
あと21:00

ドイチェ

石垣すごいな〜。チョコクランチみたいだ〜

レグザ

どうやって積んでるのかな。これを実現する王はやはり只者じゃないね。

そしてこの眺めである
あと20:00

ニシ

いや〜確かに城もいいけど、正直「腹が減っては戦はできぬ」だね。

第2章:社畜が食べられないような豪華な晩餐【食欲に負け予算度外視】

あと19時間

城を後にした僕たちは、王の気持ちになりきって、パッと目にとまった高級そうな専門店に飛び込みました。 それは「穴子」専門居酒屋!僕らの故郷広島では高級と認識されている食材です。
すでにここで予算超えそうだけど気にしない
だってなら高級食材を財布も気にせず搔っ食らうはず!これは王の心に触れるためだから、実験のためだから仕方ない。

穴子の蒲焼き・穴子のカルパッチョ・穴子の白焼き・穴子の天ぷら・穴子の・穴子の…
※広島で穴子はあこがれの食材です(大事なことなので2度)
あと18:00

レグザ

いや〜穴子もいいけど、さすがにもう食べきれないね。

第3章:社畜が見たこともないような夜景【働きすぎで方向感覚を失う】

あと17時間

ここでまた、ふりだし「社畜」と真反対のことって何?の問答に。なかなか思いつかない。

ドイチェ

・・・(悩む)・・・
あ〜ここで思いつけないなんて。まだ思考が社畜なのかな・・・。

レグザ

そうだ、王といえば100万ドルの夜景だよ!?(石油王的な?)王者の夜景を見たら俺たちだって開眼できるかもしれないよ。

僕らは本業である“あいてぃー”を駆使して「夜景」を検索し、姫路といえば工業夜景、とくに「播磨工業地帯」がイチオシとの情報を得ました。
これはざっくりとした呼称のようで、ここ!っていうゴール地点は分かりませんでしたが、とりあえず向かってみることに。「ま、播磨地帯っていうくらいだから播磨駅で降りて海岸に向かって歩けばなんとかなるでしょ」

かつて僕らが見たこともない素晴らしい夜景がそこに待ってるはず!
あと16:30
きっと素晴らしい夜景がっっっっ
あと16:00
きっと・・・・・
・・・・・

ところが、行けども行けどもそれっぽい場所はなく、とうとう海岸までついてしまいました。気づけば辺りは真っ暗。街灯もほとんどない寂しい船着場。

やばいめっちゃ不安。
あと15:30

迷子になった?いや、グーグルマップ通りに進んでいるのは間違いないのです。
どうやら、軽い気持ちでゴールに決めた緑地帯が設定ミスだったよう。僕らの“あいてぃー”力どこいった。。。

あと15時間

「やはり社畜は社畜の運命から逃れられないのか…」
「もうどうでもいいかー。」
半ば投げやりな気持ちになりながら、僕たちは帰りの途につくことに。

僕たちにはやはり社畜がお似合いなのです。
あと14:30

ドイチェ

俺たちにはやっぱり社畜がお似合いなんかな〜。
やべ〜スマホの充電まで切れて来たや…

僕たちにはやはり社畜がお似合いなのです(大事なことなので2度)
あと14:00

あと14時間

ニシ

(・・・はっ!)ここでしんみりしてちゃ負けだよ。私たち脱社畜するって決めたじゃん。王になるって決めたじゃん!

ドイチェ

そうだよね、ここで諦めたらそれこそ社畜に逆戻りだよね。絶対夜景を手に入れるっす!

レグザ

そうだね、もう一度調べよう。とりあえず・・・はい充電器

ダメもとで、もう一回だけ「夜景」で検索し直しました。
今度は実際に夜景を見た人の口コミを発見。ふむ「網干なぎさ公園」

・・・電車で1時間半くらい逆の方向だったのね。

(そんなこんなで1時間半後)

おお!王!ちゃんとあるではないか!
あと12:30

工業地帯だけに煙突から出る湯気にも光が反射して、他ではなかなか拝めない幻想的な夜景になってました。タクシーの運転手さん曰く、県外から一人で撮影に来る女性もいるくらい有名なスポットだとか。工場萌え系?

かつて僕らが見たこともない「キレイ」な夜景がそこに。
あと12:00

ドイチェ

いや〜夜景もいいけど、正直俺たち脱・社畜の「王」らしくなってきたんかな?俺たち何が足りないんだろう。

第4章:社畜が絶対住めない家パート2【払拭できない浅はかさ】

あと4時間

昨日の夜景はとても感動的だったけど、正直なところ僕たちの脱社畜の旅は順調に進んでるのだろうか?そんな疑問が湧いてきた早朝。

ドイチェ

・・・・・・・(しばし悩む)・・・・・・・

そうだ、王なら周りの人の言葉にちゃんと耳を傾ける余裕がないと。
今日は地元の人に聞き込みして回ろう

僕らは地元の方にヒントをもらおうと、バス停や駅の周りで聞き込みを開始しました。
そこで得たのが、バスセンターのおじさんからの一言
「姫路のお城は姫路城だけじゃないねんで」

姫路に居ながらにして西欧のお城
ノイシュヴァンシュタイン城(2/3スケール)が見られる『太陽公園』とな。
あと04:00
こんな所に突然西欧のお城
あと03:15

ここ太陽公園はちょうど○ィズニーランドと○ィズニーシーみたいに、2つのテーマ=2つのエリアに分かれているそうで。
僕たちは、「城のエリア」に着くよりも先に近くで目にした凱旋門(レプリカ)に無性に惹きつけられ、そいつの待つ「石のエリア」へと吸い込まれて行きました。

めちゃでかい凱旋門
あと03:05
遺跡や像を巡り、異国を感じながら、遊びゴコロを思い出す
あと02:00

レグザ

いや〜、B級テーマパークとは聞いていたけど、
想像してたよりもずっと面白いね。

兵馬俑で側近の大切さも実感
あと01:00
これで終わりかと思ったら、まだその奥にも見所が潜んでる
あと00:30

ニシ

終わりかな、と思ってからもまだまだ続きがある!
予想を軽く5倍は超えて来てるね。

第5章:社畜、ついに王の視点をゲットする【突然の開眼】

あと10分

ドイチェ

ここまで作り込む熱意はすごいね。異国アイテムをごっちゃり全て取り込むこの懐の深さもすごい。このディープさは・・。。

「それにしても、この熱量は一体どこから来るんだろう?」
滞在時間3時間を超えてもまだその半分すら周りきれないほど壮大な『太陽公園』。
予想に反してエンターテイナーとして超フリ切ってるこのパークを目の当たりにし、僕たちは誰からともなく、そんな疑問を口にしていました。

そしてみつけた答えがこれ
あと00:05

ざっくり要約すると・・・
「しょうがい者との共生」という崇高な理念を、
誰でも堅苦しく構えなくても楽しく体感できる場が欲しい!
そんな強い想いで作ったのがこの公園だよ、

というタネ明かしがしてあったのです。言われてみると、ここには公園の風景に溶け込むようにしょうがいを持つ方が暮らす施設が建っていたり、しょうがいをもつ方の雇用創出にも一役買ってる場だった訳です。

ドイチェ

おお!!!!!!
B級エンタメスポットかと思ったら、とんでもなかった!
真面目な事をあえて「遊び心」をつかって絶妙に伝えてくれる場所だったとは!

レグザ

オオ!!!!!!
俺たちの仕事もそうだったよね。
一筋縄ではいかない温度差のある人同士をさ。
遊び心でつなぎあわせて、社会を少しでも良くしようとしてるんだよね(グスン)。

ニシ

OH!!!!!!
太陽公園のおかげで自社のミッション思い出せたっす!ヤバイ、今すぐ帰って仕事したい

こうして、ビジョンを具現化し実現することへのモチベーションがバリ上がった僕たちは、もはや飼われる側ではなく、何かを生み出そう、役に立つことをやってやろうという思いがふつふつと煮えたぎるマインドを手に入れていたのです。

これが僕らの脱社畜実験の答えだ!
ついに00:00

研修旅行を終えての考察【脱社畜のススメ】

最後に、僕らの研修プランのまとめをしますと、研修旅行は「社畜」と真逆の事を色々やらせてみるとよい。逆に会社が大好きになるようだ。ということがわかりました。

こんなアホな企画を許してくれる会社ってやっぱ面白いね、俺たちで会社や社会の中でどんどん生み出してやってやろうぜ、ムフフ。という気持ちに自らシフトチェンジしてくれるのですから。
ということで、あなたの会社でもこんな「脱社畜」を切り口とした研修旅行、いかがでしょうか?

意気込み【注意!刺激強めな研修をご提案いたします】

劇薬・荒療治好きな方以外はご用命なさらないようご注意ください。
まれに副作用が見られることがあります。

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