楽しさ研究所FUN LAB

低予算でオフィスを「コミュニケーション起爆剤」にするDIYアイデア8つ

掲載日: 2018/08/02

弊社で5年前にオフィス移転をすることになりまして。
予算はあまりない、でもせっかくなのでいいアイデアが出たり 会話がはずむオフィスを作りたい!
ということで、半分DIY低予算オフィスデザインに挑戦しました。
あれから5年。それなりの効果もあったので、ここにポイントをメモします。

さて、お金があまりない中でオフィスを刺激ざんまいにするには、オフィスレイアウトで的確にポイントを抑える必要があります。 注力したのは以下の8つの点です。

※その前に、まずはオフィスづくりの目的やコンセプトを決めるフェーズがあったのですが、 長くなるのでその辺りは記事の最後でご紹介します。


1.異なる刺激を用意してみる

場所によって違う刺激を受けられればいいな、いやむしろ歩き回っている時にこそひらめくこともあるから、積極的に社内を歩き回りたくなるようなレイアウトを目指しては?
ということでオフィスレイアウトのコンセプトを「旅」に決めました。

エリアごとに色んな国を設定し、各エリアで特色あるデコレーションを行っていこうという計画です。 ※ここでお金の配分にメリハリをつけるのが低予算でのりきるコツです。

エントランス宇宙船

予算:中(巨大液晶モニタ代のみ)

手をかざすと「チーン」と鳴る”非接触呼び鈴”含め、雰囲気を近づけるための装飾は全て自作。

接客ルーム宇宙

予算:大外注費(壁・ドア・黒板・白板の施工)

変幻自在に表情を変えられる無限の空間を目指して、四方の壁全てを落書き可能に。

玄関滑走路

予算0.5万円(石やウッドデッキ風のタイルパネル)

一歩社内に入ると「滑走路」。ここから今度は地球上の様々な国への旅がはじまります。

食卓ウッドストック

予算2万円(20人囲める卓球台、天井の布、フラッグ)

野外フェスのような賑わいを目指しました。

ミーティングルーム南米ジャングル

予算0.3万円(窓に貼るグリーンの網のみ)机、植物は元々

食堂隣はアイデアの無法地帯。ということで社内にあった植物はほとんどここに集中配置。

ノマド席イタリアのカフェ

予算3万円(テーブル2卓、パラソル、オレンジタイル風カーペット)

営業の集う自由席はイタリアのオープンカフェ。

執務室アフリカのサバンナ

予算2万円(草原色カーペット、動物の壁ステッカー)デスクは元々

デザイナーやシステムエンジニアなど、技術職の集う執務エリアはアフリカのサバンナ。

休憩所日本の旅館

予算6万円(畳、ちゃぶ台2卓、座布団)※手前の石庭は自作

ほっと一息つけるリフレッシュコーナーは、旅の途中で一番落ちつける場所にしたいので日本の旅館。

物置モロッコの裏路地

予算0円(配置換えのみ)

書庫や備品の棚が混在している倉庫的な路地はモロッコの裏路地。


2.景色を変えてみる

同じ場所でも季節や時間で違った景色を楽しめるなら、それだけ起爆剤も増えるはず。
ということで、自分たちで自由自在に新しい景色を描き出せる黒板とホワイトボードを壁一面に導入しました。

黒板を活用した例

季節の絵で飾ったり

肝試しで使ったり

アイデアを募るのに使ったり

もちろん会議でも大活躍。

ホワイトボードを活用した例

プロジェクターで写した上に描き込んだり

貼ったり描いたり、会議形態も自由自在


3.目線や姿勢を変えてみる

同じ場所でも目線や姿勢を変えるだけで、また違った景色になります。
そんな毎日の小さな変化が社内をさらに活性化する?

イスではなく地べたにペタっと座ることで 目線の高さが変化します。

姿勢を伸ばすと体も心もほぐれたり。


4.動線を変えてみる

机にとらわれない自由な動線から、日々新しい交流が生まれます。
座ったままでも社内移動がしやすいイスを多めに導入しました。

いつでもどこでも誰とでも!

美容室でよく見かけるチェア。座ったままクルクル移動しやすくて人気。


5.自然の変化を取り入れてみる

自然に触れることで創造力がアップするとか。

元々あった植物を活かし、自然の変化を感じる。

ちゃぶ台となりのミニ石庭。散った枯れたもまた一興。


6.集まれる場所を作ってみる

デスクじゃないところにいつでも集まれる、毎日いろんな仲間とかかわる事が出来る、 そんな環境を目指して自由席エリアを複数もうけました。

ちゃぶ台

卓球台

ノマドのまどべ

金曜夜の卓球台まわり


7.閉じこもれる場所を作ってみる

逆に、気分によっては一人で集中することも出来るようにしました。

ちゃぶ台

カウンター


8.隠れられる場所を作る

少人数でこっそり話せる場でこそ、良いアイデアや重要なひらめきが湧いてくるかも。ということで意図的に”裏側”を意識して作ったエリアもあります。

すれ違うのもギリギリ、横幅70cmちょっとの裏路地

ちょっと人が来ると一気に高密度に


あれから5年・・・効果のほどは

事実として、ミーティングや会話の数がふえました。 複数の社内プロジェクトが自発的に誕生したり、メンバーのクラブ活動が活性化したりといった動きもあり、一定の効果を得られました。

また「目指すコンセプトイメージはあるけれどお金がない!ということで、 みんなで知恵を絞りあってイメージに近づける創意工夫(苦肉の策)の作業自体も、楽しいものでした。
蛇足ですが、採用活動の時などには学生さんに楽しんでもらえるので、覚えてもらいやすい面もあると思いました。


なぜやったのか

最後に、オフィスを「コミュニケーション起爆剤」にしようと思い至った経緯について少々ご紹介させてください。

企業理念って伝わりにくい

突然ですが会社のミッションや理念ってなかなか浸透しにくくありませんか?
とくに新しい世代の社員には伝わりにくい。 フォノグラムも創業から10年を過ぎようかという頃で、世代間のギャップを感じ始めた頃でした。

本音を言えば、働く人みんなが自社の目指す方向に共感や誇りをもって活動できてる状態を目指したいな。 でも一方的な押し付けでは効果がないし、つまらない。空気みたいに自然に理念が浸透していくような都合いい方法ないかな?


理念の見える化=テーマパーク化

そこで目をつけたのが、毎日かならず訪れて、長時間滞在するオフィス。
ここで毎日手軽に「仕事をしながら」目指す方向を体感できればいいのになー。しかも「楽しみながら」。 ということで、オフィスを「企業理念のテーマパーク」化することに思い至りました。

テーマに沿って一連のアトラクションを楽しく過ごすことで、 知らず知らずのうちに全体的な世界観も体感できちゃう「テーマパーク」、 これはうまくいくんじゃないかとなりました。

弊社の理念は発展的コミュニケーションの創造で、豊かな社会を実現」というものなので、 「コミュニケーション起爆剤」をたくさん設置して、コミュニケーションを発展させる事(=理念)の良さを自分たちが体感できるようにしたという訳です。

特別な研修ではなく「毎日の仕事を通して」企業理念の浸透を狙う『理念のテーマパーク化』。 施策の一つとしていかがでしょう?