




ChatGPTやGoogleのAIに、こう聞いてみたことはありますか?
(あなたの会社名)って、どんな会社?
いま、何かを調べるとき、Googleで検索するのではなく、AIに"質問"することが急速に増えています。
「広島でおすすめの工務店は?」「〇〇を扱っている会社を教えて」……
こうした質問に、AIは検索結果の一覧ではなく、文章で"答え"を返します。
実際、フォノグラムにご相談やお声掛けくださる方に「フォノグラムのことを何で知りましたか?」と伺うと、
「AIに聞きました!」という方が増えてきています。(ありがとうございます)
ただ、問題があって、AIに聞いたその答えは正しいとは限らないことです。

あなたの会社が出るはずの候補に出てこないかもしれない。事業内容を間違えて紹介されているかもしれない。
そして怖いのは、AIは間違っていても、自信満々に答えるということです。
私たちフォノグラムは、自社で開発・提供しているサービスについて、
この「AIにどう見られているか」を調べ、改善する取り組みを約4ヶ月続けてきました。
この記事では、実際にやったこと・わかったことをお伝えします。
先にお伝えしておくと、これは「AIの回答で自社を上位に出す裏ワザ」の話ではありません。
そういうテクニックを期待された方には申し訳ないのですが、
私たちが取り組んできたのは、もっと地に足のついた、AIに自社の正しい情報を答えてもらうための情報整備です。
そしてこの記事は、読み終わったあとにそのまま真似していただける構成にしています。
もしいま手元にスマホやパソコンがあれば、1分だけ使って、冒頭の質問(あなたの会社名)って、どんな会社?を実際にAIに聞いてみてください。
その答えを手元に置いたまま読み進めると、この記事は「他社の事例」ではなく「あなたの会社の話」になります。
「AIに聞く人なんて、まだ一部でしょう?」と思われるかもしれませんが、公開されている調査データを見てみましょう。
「AIに聞く」はもう一部の新しもの好きの行動ではありません。お客さまの3人に1人がすでにやっていて、しかもその答えが購買の決め手になり始めている。それが今の状況です。
私たちは「AUN(あうん)」という、Webサイトやデザインなどの修正指示を作成し共有できる自社サービスを運営しています。
延べ300万人以上の方にご利用いただいており、「フォノグラムは知らなかったけど、AUNは知ってます!」と言ってくださる方もいる、私たちが大切にしているサービスです。

あるとき、AIにAUNのことを聞いてみて、ショックを受けました。
3つめは笑い話のようですが、笑えません。
AIは情報が足りないと、それらしい嘘を、公式情報のような顔で答えます。
これはどんな会社にも起こりうることです。
会社の所在地、営業時間、扱っている商品、社長の名前……。
AIが間違った情報を答えていても、気づけない場合も少なくありません。
だから私たちの取り組みのゴールは、最初からひとつでした。
AIに、事実を正しく答えてもらうこと。
実際より良く見せたいわけでも、比較で不正に勝ちたいわけでもありません。
事実をねじ曲げてAIに刷り込もうとするのは、お客さまをだますスパム行為です。
「ないものをあるように見せる」のではなく、「あるのに伝わっていないものを、正しく伝わるようにする」。
私たちが目指しているのはそれだけです。

「AI対策」というと難しそうに聞こえます。
実際、AIO・LLMO・GEOといった専門用語が乱立している分野であり(用語の解説はこちらの記事をどうぞ )、
Web業界の中でもまだ知見が固まっていません。
でも、私たちがやったことの本質はシンプルです。実際にやったことを紹介します。
まず、お客さまがAIに聞きそうな質問を約25個用意しました。
「修正指示をかんたんに共有できるツールは?」「会員登録不要で使えるものはある?」…といった内容です。
それを4つの主要なAI(ChatGPT、Gemini、Perplexity、GoogleのAIモード)に聞いて、
AUNが回答に出てくるか、そして出てきたとき内容が事実と合っているかを記録します。
ちょっと欲張ってしまい、25個も作ってしまいましたが、最初はもっと少なくても良いと思います。
(25×4=100回も聞くことになってしまい、途中で嫌になったので2回目からはAIで自動チェックできるシステムを作りました)
1つ気を付けてほしいことがあります。普段自社のことやサービスを聞いていると、AIが前提条件としてそのサービスを運営していることを知っている状態になっています。そうなると、回答も個別の事情に寄り添った回答をしてしまいます。普段使っていないアカウントを用意したり、「これまでのやりとりをリセットして回答してください」と添えて聞くなど、全く知らない人として質問できるようにしましょう!
実際に聞いてまとめた結果の一部です。見返せるようスプレッドシートにまとめました。

これをやると、現在地が数字でわかります。
着手時点の私たちは、AIによっては25問中、AUNが言及された回答はゼロのものもありました。
つまり、そのAIの世界にはAUNが存在していないと言えます…。かなしい。
質問は10個で十分です。「(会社名)の評判は?」「(地域)で(業種)を探している」「(商品・サービス名)の料金は?」など、お客さまが使いそうな言葉で作ってみてください。
それを月に1回、同じ質問のまま投げて、答えをスプレッドシートやメモ帳に貼っておくだけで定点観測になります。
次に、計測結果を基に公式サイトの情報をAIが理解しやすい形に整えていきました。
一見、AIのための施策に見えますが、実際にやっていくと、AIに伝わらない言い回しは人間にも伝わらないということに気づき、表現を見直すきっかけにもなりました。
最初の一歩は「会社の基本情報が、公式サイトの1つのページで正しく揃って読めるか」の確認です。
会社名の表記ゆれ、古い住所や営業時間、載っていない料金。ステップ1でAIが間違えた項目は、たいていサイト側の情報が古いか、どこにも書かれていないかのどちらかです。
構造化データのような技術的な整備は、サイトを作った制作会社に「AIやGoogleに正しく伝わるようにしたい」と相談すれば通じます。
これらの対策は、やってすぐには効くとは限りません。効果は数週間から数ヶ月遅れて表れ、しかもAI側の仕様変更で数字が上下に揺れます。実際、私たちのスコアも一直線には伸びず、途中で大きく落ち込んだ時期もありました。
だからこそ「一度やって終わり」ではなく、定期的に測って、変化を見て、打ち手を足していく。この地道なループが必要になります。

正直にお伝えすると、劇的なV字回復のグラフにはなりませんでした。それでも、確かな変化が出ています。
そして途中でスコアが急落したときも、原因を調べると私たちの施策ではなくAI側のモデル更新が理由だったようで、次の計測では回復しました。スコアに一喜一憂するのではなく、しっかり裏側まで見ていくことが大事です。
AIは「本人がそう言っている」だけの情報を、簡単には信じません。
AIは答えをつくるとき、公式サイトだけを見ているわけではありません。レビューサイト、ニュース記事、ブログ、SNSの投稿…そうした情報を幅広く参照して、いわば「世間がその会社をどう見ているか」を組み立てています。
つまり、自分のサイトで自社やサービスを「どう紹介するか」を整えるのは出発点にすぎず、他のサイトやSNSで「どう紹介されるか」までが、AIの答えを左右するのです。
実際、AIが正しく答えてくれるようになった項目には共通点があり、公式サイトの情報に加えて、レビューサイトの口コミや、第三者が書いた紹介記事が"裏付け"として存在していたのです。実際、あるAIは回答の出典として、公式サイトと一緒にレビューサイトの記事を並べて引用していました。
これを踏まえると、自社サイトの整備と並んで大切なのが外部の「口コミ」を育てることです。

サービスによってどの口コミが良いかは変わりますが、これらの口コミを育てていくことで、この会社は信頼できる、という評価を得ることができます。
ここでも大切なのは、やらせやサクラに頼らないことです。報酬を渡して良い口コミを書いてもらうような行為は、ステルスマーケティングとして法律で規制されているうえ、AIとお客さまの両方からの信頼を失います。
実際のお客さまの声が、自然に外に残っていく仕組みをつくる。遠回りに見えて、これが一番確実です。

これは、大企業向けの特別なマーケティングの話ではありません。
ホームページに正しい情報を載せておくのと同じ、いわば会社情報の"お手入れ"の新しい範囲です。
これまでは「ホームページに書いてあれば伝わる」時代でした。
これからは、お客さまと会社の間にAIという"紹介役"が入ります。
その紹介役が、あなたの会社のことを正しく話せるだけの材料を持っているか?それが問われています。
特に「地域名+業種」で調べられることの多い地方の会社は、お客さまがAIの答えを信じてお店や依頼先を決める場面がすでに始まっています。AIが古い住所や間違った事業内容を答えていれば、困るのはお客さまです。
では、何から手をつければいいのか。最後に、この記事でお伝えしたことを「今日からできる形」にまとめます。
どれも社内でできることばかりです。上から順に、まずは1と2だけでも今日やってみてください。
ChatGPTやGeminiに
(会社名)って、どんな会社? (地域)で(業種)のおすすめは?
と質問し、答えを保存します。これが「着手前」の記録になります。
AIの答えを、事実と突き合わせる。間違い・古い情報・触れられていない強みに印をつけると、
それがそのまま「直すべきものリスト」になります。
会社名・所在地・営業時間・事業内容・料金が、最新の内容で、探さなくても見つかる場所に書かれているか、
2の「直すべきものリスト」と照らし合わせて更新します。
よくある質問は「お客さまの悩みの言葉」で書き直します。なければ数問からでも作ってみましょう。
Googleビジネスプロフィールは情報を最新にして、いただいた口コミには返信します。
「AIにもう一度同じ質問をする」と入れておきましょう。
1で保存した答えと見比べます。
フォノグラムでは、この記事でご紹介した取り組みを自社サービスで実践しながら、測定の仕組みづくりからサイトの改善、継続的な運用までを一貫して行ってきました。
「うちの会社、AIにどう見られているんだろう?」そう思われたら、お気軽にご相談ください。現状を調べて、分かりやすくご報告するところからお手伝いできます。